元旦から映画 [映画]
年末から映画づいている。DVDをレンタルして見るのは、すでに習慣のようになってしまった。オンデマンドTVが加わり、さらに身近になったこのごろ。
なのに(?)、急に娘が映画館で見たいという。
年末の木曜日に「レディース・ディで1000円」ということもあって、矢場町はパルコのセンチュリー・シネマへ『転々』を見に行き、元旦は「ファースト・ディで1000円」ということで『魍魎の匣』に行こう、ということになった。
独身のころ、正月はヒマ~ということもあって、元旦に映画館へ行くのが恒例行事化していた時期があった。シネコンなんて無い時代だから、窓口では行列。劇場内では、入れ替わりで空いた席を確保するのに押し合いへし合い。
なんてのも懐かしいなぁ。ああトシが……。
それはともかく、そうして大抵1度の鑑賞では満足できず、二回り見る(併映があった時代だからね~。大抵、2本立てだった)
終わって出ると昼過ぎ、あるいは夕刻。
名古屋駅前には結構、小屋があったから――今は小屋そのものは減ったけれど、シネコンで本数自体は増えているかも――自転車で駅前へ行く。帰りにデパートへ寄る。それが定番だった。
今回の“元旦映画館ツアー"は、そういう意味では、久々で懐かしい出来事。
さて、見たのは『魍魎の匣』
- 作者: 京極夏彦,山口雅也
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1999/09/14
- メディア: 文庫
- 購入: 3人 クリック: 38回
- この商品を含むブログ (304件) を見る
遙か昔、角川映画が「見てから読むか、読んでから見るか」なんてキャッチコピーで映画と書籍の両方を宣伝していたことがあった。こうした原作付き――というより映画化、か――は、どちらかで印象が変わるということがあるから、難しい。
私は原作を読んでしまっていたので、どうしてもそちらに印象が釣られる。
娘は「見てから派」にしたらしく、原作は机の脇においたままになっていたのだけれど、感想はというと、「人間関係の把握が難しい」とのこと。
たしかにね。
キャラクター小説的な面白さもあるとはいえ、外せる人物はいない。映画化困難といわれたのは、単にストーリーが複雑だからというよりも、この人脈の複雑さゆえではないか。そんなことも考えてしまった。
ただ、四方八方から事件に絡んでくる人間たちを、京極堂という主人公が、文字どおり要になってまとまってゆく、まとめあげてゆく課程がまた楽しいから、なおさら誰かを削るなんて考えられない。
長尺の原作は、人物の描写があっちへ行きこっちへ行き、物語そのものもそっちの道こっちの道へと逸れ、というのをじっくり楽しめばいいけれど、2時間枠の映画はそうはいかない。
よって、展開がものすごく早いし、台詞回しも速い。その台詞で、人間関係を説明したりしているから、娘は少々混乱して、最後まで理解しきれずにいってしまった部分もあったらしい。
ということで、京極堂の世界が全く初めてというのなら、原作を読んでいったほうがいいかもしれないですね。
コメント 0