『基本からはじめる手ぬいレッスン』 [クラフト]
過去にも書いているのだけど、ミシンでガーッと縫う方が楽だし。時間の短縮になる。縫い目もキレイ。仕上がりも既製品のよう。
でも、ファスナーやボタン付けなどの細かい部分は、機械の扱い自体がややこしくて、むしろ難しい。
まぁ、そもそも、服作りなどは、型紙を用意して、そのとおりに布を裁って……という、準備段階(?)が面倒なのだ。女物の既製服のサイズが合わなくて、ちょくちょく“手作り”してきた者としては、それも致し方ないと思ってきたのだけれども。
なので、いかに簡単に服や小物が作れるか、ということ(本)には、つい眼が行く。
ある手作り冊子で知ったのが「手縫い」。
そこでは、基本としてまずバッグ作り、というのがあったのだが、服まで手縫いで作ってしまおう、というのがこの本。
内容的には、ミシン物と同じく(?)、簡単服の作り方、といった様相。 ただそれを、手でチクチク縫いますよ、というくらいの差。 型紙も付いていて、それを元に布を裁って作る、という工程は一緒。
手縫いは、スーツなどの厚みのある布は扱いにくい。それを逆手にとって(?)、コットンや薄手の布を使うことが“らしさ”と言えるかな。
綿は、ひとつ間違えば安っぽくなる。そこを「手でぬう」ことによって、より素朴さを出す。
薄手の布やサラサラとした布は、機械(ミシン)の押さえから滑って逃げていってしまいやすい。つまり扱いづらいという弱点があるけれど、手ぬいなら大丈夫。
それに……。
苦手なファスナー付けなどは手でチクチク頑丈に。そして、直線ぬいの箇所は、ちょっとズルして(?)ミシンを使ってもいいのだし。
オリジナルな、あるいは私のようにサイズに困っている人にはぴったりサイズな服作りに取り組みやすい本ではあると思う。
実はこの本は、欲しいと思ったときには絶版で、Amazonで古書を手に入れた。
……ら、このように、出版社を替えて新装版が出ることになった。ちょっと複雑な気分。
まぁ、元の雄鶏社の倒産で、絶版のままになるのかなぁと心配していたけれど、こうして別の出版社から新たに出ることになって、喜ばしいことではある。
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訃報ー佐藤史生(しお)さん [コミックス]
◆SpytheDesk・サカタBOX(坂田靖子さんの公式サイト)
佐藤史生先生は、数年前に乳ガンである事がわかり、手術してガンを摘出しましたが、昨年初め頃に骨や脳、その他に転移が確認され、昨年11月にふたたび入院、2010年4月4日、清瀬のホスピスでなくなりました。
今朝、早くにツイッター内で知らせてくれた方がいて、知った。大ショック。
活動的?な作家さんだったら……などと思ってしまう。どこかで連載が中断したり、新作が出ないことで噂になったりして、もっと早くに知っていたのではないか。
だとしても、1ファンにできることは、祈るくらいしかないけれど……。
ツィッターのタイムラインに次々と、このニュースに関するつぶやきが流れるのを見ていると、寡作で地味な作家さんのようで、実はコアなファンが大勢いたのだなぁと、自分のことのように嬉しくなる。
同時に、悲しくなる。本当に、もう二度と、「新作」は読めないのだなぁと。
そうして、先日の翻訳家の浅倉久志さんの訃報を思い返してみても、“時”というものを感じてしまう。自分の年齢をも、また振り返る。
かつて楽しみ、親しんだ作品と、それを創作された人々が、少しずつこの世から去ってゆく……。強烈な淋しさが襲ってくる。
ご冥福をお祈りします。
◆「ワン・ゼロ」漫画家・佐藤史生さん死去 : ニュース : エンタメ : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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↑唯一、ちゃんと出ている(?)作品集。読み返すたびに、凄い作家さんだったのだなぁと思う。絵が好き、お話が好き、アイディアが、キャラクターたちの会話が面白い、という感じで読んでいた自分を思い出すと、全然分かっていなかったのだなぁと、むしろ恥ずかしくなる。
- 作者: 佐藤史生
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↑壮大な時代ロマン、といったところか。“チグリス・ユーフラテス”などの古代文明を土台に、竜がいたパラレルな時空軸?を重ねて、骨太な物語を作り上げている。
私は単に、竜に乗る騎士、というガジェットに惹かれ、繊細な王子であり神官である主人公、明らかにミスター・スポックを意識した、彼の父親である王、といったキャラクター等々に、うっとりしていたものだったけれど。
当時、翻訳が出始めていたアン・マキャフリーの「竜騎士シリーズ」との比較で語っている人がいたなぁ、とも思い出す。
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↑文庫版は買えるのかな……? ほとんどの作品が絶版という、悲しくも情けない状況。もちろん好き嫌いはあるだろうけれど、こうした傑作を後の世代に残さないでどうする、と危機感すら抱く。
(コミックパークというサイトで、オンデマンド印刷という方法で注文できるものもあるらしい)
金星樹―SF短篇集 (新潮コミック―Alice’s book)
- 作者: 佐藤史生
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↑こちらは、個人的に“最高傑作”なSF作品集。
表題作のアイディアにアッと驚き、火星の緑化を主題にした物語に、笑いながら涙。
この他にも、様々なジャンルの作品があるけれど、この作家さんは、どんな先駆的なアイディアや物語を紡いでも、底に“人間への暖かい眼差し”があったように思う。
最近、子どもに読ませようと、本棚に置いてものの大半を、実家から持ってきたばかりだったんですよね……。
追記:参考
◆インタビュー「今回のお客様は、佐藤史生先生です!」/小学館コミック -flowers-
『パーフェクトプログラム』 [他スポーツ]
フィギュアスケートの本。
オリンピック、そして世界選手権、の興奮さめやらず。
の今、チラホラと関連本が出ているようだけれど、興味を引かれたのがこれ。
パーフェクトプログラム―日本フィギュアスケート史上最大の挑戦
- 作者: 田村明子
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以前のエントリーで『氷上の光と影』について書いたけれど、同じ著者による本。
“裏側”について詳しい著者のこと、今回のバンクーバー五輪についても言及してくれていればありがたい。
ネット時代の今、ずいぶん昔から見てきているファンの方、会場へせっせと足を運んでいるファンの方などが、ブログなどにあれこれ書いて“教えて”くれるけれども、やはり選手や関係者に近い方が持っている情報は濃いはず、と思われるので。