訃報ー佐藤史生(しお)さん [コミックス]
◆SpytheDesk・サカタBOX(坂田靖子さんの公式サイト)
佐藤史生先生は、数年前に乳ガンである事がわかり、手術してガンを摘出しましたが、昨年初め頃に骨や脳、その他に転移が確認され、昨年11月にふたたび入院、2010年4月4日、清瀬のホスピスでなくなりました。
今朝、早くにツイッター内で知らせてくれた方がいて、知った。大ショック。
活動的?な作家さんだったら……などと思ってしまう。どこかで連載が中断したり、新作が出ないことで噂になったりして、もっと早くに知っていたのではないか。
だとしても、1ファンにできることは、祈るくらいしかないけれど……。
ツィッターのタイムラインに次々と、このニュースに関するつぶやきが流れるのを見ていると、寡作で地味な作家さんのようで、実はコアなファンが大勢いたのだなぁと、自分のことのように嬉しくなる。
同時に、悲しくなる。本当に、もう二度と、「新作」は読めないのだなぁと。
そうして、先日の翻訳家の浅倉久志さんの訃報を思い返してみても、“時”というものを感じてしまう。自分の年齢をも、また振り返る。
かつて楽しみ、親しんだ作品と、それを創作された人々が、少しずつこの世から去ってゆく……。強烈な淋しさが襲ってくる。
ご冥福をお祈りします。
◆「ワン・ゼロ」漫画家・佐藤史生さん死去 : ニュース : エンタメ : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
- 作者: 佐藤史生
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2001/05
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↑唯一、ちゃんと出ている(?)作品集。読み返すたびに、凄い作家さんだったのだなぁと思う。絵が好き、お話が好き、アイディアが、キャラクターたちの会話が面白い、という感じで読んでいた自分を思い出すと、全然分かっていなかったのだなぁと、むしろ恥ずかしくなる。
- 作者: 佐藤史生
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1982/05
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- 作者: 佐藤史生
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1996/04
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↑壮大な時代ロマン、といったところか。“チグリス・ユーフラテス”などの古代文明を土台に、竜がいたパラレルな時空軸?を重ねて、骨太な物語を作り上げている。
私は単に、竜に乗る騎士、というガジェットに惹かれ、繊細な王子であり神官である主人公、明らかにミスター・スポックを意識した、彼の父親である王、といったキャラクター等々に、うっとりしていたものだったけれど。
当時、翻訳が出始めていたアン・マキャフリーの「竜騎士シリーズ」との比較で語っている人がいたなぁ、とも思い出す。
- 作者: 佐藤史生
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1985/05
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- 作者: 佐藤史生
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1996/10
- メディア: 文庫
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↑文庫版は買えるのかな……? ほとんどの作品が絶版という、悲しくも情けない状況。もちろん好き嫌いはあるだろうけれど、こうした傑作を後の世代に残さないでどうする、と危機感すら抱く。
(コミックパークというサイトで、オンデマンド印刷という方法で注文できるものもあるらしい)
金星樹―SF短篇集 (新潮コミック―Alice’s book)
- 作者: 佐藤史生
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1992/12
- メディア: 単行本
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↑こちらは、個人的に“最高傑作”なSF作品集。
表題作のアイディアにアッと驚き、火星の緑化を主題にした物語に、笑いながら涙。
この他にも、様々なジャンルの作品があるけれど、この作家さんは、どんな先駆的なアイディアや物語を紡いでも、底に“人間への暖かい眼差し”があったように思う。
最近、子どもに読ませようと、本棚に置いてものの大半を、実家から持ってきたばかりだったんですよね……。
追記:参考
◆インタビュー「今回のお客様は、佐藤史生先生です!」/小学館コミック -flowers-
“脳のスキャンで「考えていること」が分かる” [コミックス]
◆脳のスキャンで「考えていること」が分かる、英研究 国際ニュース : AFPBB News
ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ(University College London、UCL)のエレナー・マグワイヤ(Eleanor Maguire)氏らは、「機能的磁気共鳴画像装置」(fMRI)を用いて、ひとつひとつの記憶と関連した脳活動を特定することができ、さらに、それをもとに思考のパターンを特定できることをつきとめた。この研究結果は、人が過去の記憶のうち、どの記憶を呼び起こしているかを、脳活動のパターンだけで特定することができることを示唆している。
このニュースを見たとたんに、これはコミックス『秘密』の世界だ~と思った。
もともと研究はされていて、著者はそこから着想を得たのかも知れないけれど。それにしても、“SF”ではなく、現実に近づきつつあると思うと、ワクワクよりは不安が募る。
20世紀中のように、バラ色の未来に胸を躍らせることが出来なくなった今は、むしろ科学の進歩は、ちょっと待て、と立ち止まって吟味しなければならないものが多いように感じる。
- 作者: 清水玲子
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2009/10/29
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秘密―トップ・シークレット (1) (Jets comics (234))
- 作者: 清水玲子
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2001/12
- メディア: コミック
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よしながふみ「大奥」実写映画化決定? [コミックス]
コミックナタリー - よしながふみ「大奥」実写映画化!来春クランクイン
最近、耳にしたのだけど、ビックリ。あの内容を映画にするのか~。
まぁ、BLっぽい要素は背景に溶け込み(?)、表面化することはないから、面白い作品になるかも。料理の仕方次第ですが。
今さらだけど、商業誌で描き始めた筆者は、三浦しをん氏との対談でも感じられたように、「女性とは」「ジェンダーとは」というキーワードで作品を描いているようす。
その辺が上手く出せる演出家さん、監督さんだといいなぁ。
- 作者: よしながふみ
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2005/09/29
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- 作者: よしながふみ
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2009/09/29
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『幻想綺帖』 波津彬子 [コミックス]
- 作者: 波津彬子
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2009/09/04
- メディア: コミック
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久々の新刊~。
骨董品マンガの『雨柳堂』シリーズがなかなか出ないので、常に欲求不満状態。いや、最近は小学館の英国シリーズが出てますけどね。
こういう幻想的、和風(中華風?も入ってるけど)の作品が読みたかった~。
内容は、中島敦『山月記』、L.M.モンゴメリの幽霊譚、等々、世の名作をコミックス化。
この人の流麗な絵で見せられると、活字で読むとのは違った雰囲気を感じたり、イメージが変わったりするから不思議。
あらためて原作を読み直そうかな、とも思ってしまったり。
★楽天ブックス:[rakuten:hyoutan:10027835:title]
遠藤淑子の新刊、『なごみクラブ』その他 [コミックス]
読んでない本のエントリーが続くなぁ。
Amazonからお知らせが来た。こういう場合は、親切と言えるのかも。新刊案内で見落としていたようなので。
(1)とあるからには、シリーズとして続くんだろうなあ。この人の作品は、連作長編のほうが面白くなると思うので、これは買い。
というのも、このところの短編ものは、読めば楽しいんだけど、何か1つ物足りない……という気にさせられていたから。
絵柄的にショートギャグが似合う感じではあるのだけど、案外ストーリー性の強いもののほうが読み出がある(当たり前?)。と思う。
今回、晴れて文庫版として復活(?)したらしい、こちらの作品のように。
白泉社
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はてな:狼には気をつけて 第1巻 (白泉社文庫 え 1-12)
はてな:狼には気をつけて 第2巻 (白泉社文庫 え 1-13)
表紙の“絵”が出ない~!
そうはいっても、こちらも気になる……。
キーワード:午後のお茶は妖精の国で (Feelコミックスファンタジー)
『海街diary 』新刊 [コミックス]
bk-1に、来月以降のコミックスの予定を見に行ったら、お、あの“第11回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞! "の、『海街diary』第2巻と『海街diary すずちゃんの鎌倉さんぽ』の2冊が入ってる!
いさんで買い物かごに入れたら……ありゃ、10月刊行でした。
そういえば、「flowers」の案内にも、そう書いてあったっけ。来月!と思ったら違っていたんで、先は長いな~とがっかりしてたんでした。
お話自体は「flowers」のほうでしっかり読んでいるので――というより、最近はこれが読みたくて雑誌を買ってるような――早くしろ~、というほどではないんですけどね。(『鎌倉さんぽ』のほうは、早く読みたいぞ。鎌倉へ行きたくなりそうだけど。いや、すでになってるけど)
てか1巻、どこへ行ったっけ。( ̄▽ ̄;)
『辺境警備』決定版 [コミックス]
最近出た『天使のタマゴ』という紫堂恭子のコミックスで、ふと思いだした。この人のデビュー作でもある『辺境警備』、実家に置いてきたまんまなこと。
中学生の娘が、コミックスはもちろん、ライト・ノベルにハマりだして、いろいろ読んでる。
親としては、どうせなら良質なものを読んで欲しいと思う。セカチューもいいけど、それだけで時間をつぶしてしまうのはモッタイナイ……。
その点、紫堂恭子は絵もカワイイし――人によっては、クセがあるというけれど――お話も楽しい。
とくにこの『辺境警備』は、他のシリーズとおなじ異世界物なのだけれど、雰囲気はずいぶん違っていて――まぁ、これがデビュー作なんですけどね――のほほん、ほのぼの系のお話。
日常のなかの、ちょっとした魔術とか幻想といったものを描いていて、ときにちょっと切なく、ときに笑いながら、のんびり楽しめる。
そんな風に、適度にユーモアもあって、でも芯はしっかりしてるというか、ハッとするようなセリフがあったり、重厚なテーマを奥底に秘めている。
漫画を読むなら、こうした感じのものを選んでほしいよなぁ。と、つい親として、「ためになる」系を勧めようとしてしまうのはわるいクセ?
まぁ、自分が好きだから、でもあるわけだけどね。
紫堂 恭子
★bk-1
(続?) のだめ15巻、限定版て何~? と思ったら [コミックス]
二ノ宮 知子
おまけと称して、
マングースのぬいぐるみ付き!
だそうで……。
さらに、このマングースはただのぬいぐるみではありません!お腹をおすと「ギャボッ」と鳴く機能付きです。
ボールチェーンも付いていて携帯やバッグのアクセントとしても◎、デスクに置いて癒やしアイテムとしても使えます!
Amazon解説より
カワイイ!
と思ったのは最初だけ。値段を見て、「ギャボッ」ですよ。
限定版 ¥ 1,980 (税込) コミックスに付ける値段かぁ~? どこが“おまけ”?
そりゃ、ここでしか“買えない”品物ですけどね。
コミックス代金を引いて、ぬいぐるみの代金、約1300円かぁ。高いと見るか、安いと見るか。
私は……べつに欲しくないなぁ。続きが読めればオーケイかも。
★bk-1
^(・:・)^★楽天ブックス
のだめ新刊(14巻)でたね [コミックス]
二ノ宮 知子
★bk-1
〈全巻〉
(・e・)^(・:・)^★楽天ブックス
『水滸伝』-横山光輝版 [コミックス]
どこで“水滸伝”の言葉を聞いたのか。
北方謙三さんの同名シリーズが完結、という話題をどこかで読んだときだろうか。
思いだしたのは、この横山光輝さんのコミックス、8巻。連載されていた雑誌を、親が定期的に買ってきてくれて、それで読破することができた。ダイナミックな話にハマって、コミックス版も何度か読み直したっけ。
横山光輝
今、あらためて眼を通すと、忘れていたストーリー、コマ割(カット割り)や絵、キャラクター造形といったものを、当時のワクワクゾクゾクする気持ちと共に、思いだす。
コミックスといえども、本というものの持つ力に脱帽する。
もともと、漫画なるものを目の敵にしていた祖母や親たちだった。なので、少女漫画はもちろん、若者向きの雑誌でさえも、あまり縁のない生活を送っていたのだけれど。
雑誌連載が終わって、通しで読みたいなぁと思っていたら、なぜか母親があっさり買うのを許してくれた。
そんな、今となっては懐かしい事柄も、一緒に思いださせてくれるシリーズ。
最近、あらためて手に入れたのは、昔なつかしき新書のコミックス版。Amazonで、古書を買った。
文庫版も出ているようだけれど、やっぱり“絵”は、少しでも大きい方がいい。迫力が全然、違う。
全編、闘いに次ぐ闘いの物語。結構、血なまぐさい話ではあるのだけれど、子どものころに読んだ記憶があるせいか、インパクトが薄められるというか、それほど気にならない。
もちろん、“過去”の作品、物語であればあるほど、人死には当然のように出てくるのだけどね。児童書でさえも。
原作を読んでみたいと思いながらも、今日まで来てしまった。
北方謙三氏の作品が完結した今、併せて読んでみようかなと思っている今日このごろ。でも、←この作品、かなり血なまぐさそう。
横山先生が、道徳的(?)に、外したという武松のエピソードは、どんな風に書かれているんだろう。紹介文によると、クライマックスで大活躍しているようだけれど、彼の“悪逆非道”は、どんな風に免罪されているのか、いないのか。
そのあたりも、原文訳に近い本とつきあわせて読んでみたい。