『水没ピアノ』 [小説]
読了ではなくて、途中で放り出してしまった本。(図書館に返さなければならなかったので。)
暗澹たる日々に埋もれた無様な青年。悪意から逃れられない少女を護り続ける少年。密室状況の屋敷で繰り広げられる贖罪を含んだ惨殺劇…。水没した全てのもの。そして、その果てに浮かび上がる真相…。記憶と密室のミステリー。
三つの話が同時に進行してゆくのだけど、どれも暗~い話。あの“メフィスト賞”を取った作家だけに、独特の世界を創りだして、まさしく今の作家という雰囲気。
まぁ、ラストまで読んだわけじゃないので、あんまり偉そうなことは言えないけどね。
舞城王太郎(の『阿修羅ガール』)に似て、作者の分身?と思える探偵役の人間が出てくるのがなにか面白い。
次に図書館へ行ったときに――って、今、借りてる『みんな元気。』読み終わるかしらん。それはともかく――また借りてこようかな。この系列の作家さんは、人気があるとみえて、タイミングがずれるとなかったりするけど。
娘が読んでます……『女子大生会計士の事件簿』 [書籍、雑誌]
いつ頃から言い出したのか……。何を思ったか見たか「私、会計士になる!」と宣言した中学生の娘。
べつに表題の本を読んだから、というわけではなく、こちらにしては結構、唐突に言い出したから、おどろいたのだけど。
テレビのバラエティーやドラマで近ごろ“弁護士”がやたら取り上げられてる。陪審員制度を取り入れるとかで、ロースクールが増えるそうな。勉強は大変だけど、チャレンジしてみたら、なんて冗談まじりに話していたら、さすがにそこまでのアタマはない(?)。そこまで“勉強”するのもイヤだ、とか。(;´_`;)
祖父に話したら「弁護士と同じくらい、大変だぞ」と言われて、「ええーっ!」となったが、「でも、いいもん、なりたいもん」。一番ではなく二番手なら大丈夫とでも考えたのか?
まぁ、夢があるのはいいことなので、とりあえずハイ、ハイ、と聞いているけれど……親ばかちゃりん、ネットでこの本を見つけて、即、購入してしまった。
女子大生会計士の事件簿〈DX.1〉ベンチャーの王子様 (角川文庫)
- 作者: 山田真哉,久織ちまき
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2004/10/25
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推理小説じたてで、なかなか面白かった。コミックス化されたそうだけど、それもわかる、といった内容。というより、元々コミックス的。タイトルからして、そうだよね。
この“女子大生”は萌ちゃんというんだけど――会計士免許1級なのに、なんで女子大生?――下っ端のカッキーとの掛け合い漫才みたいなやりとりが楽しい。“お勉強”には向かないけれど、「会計士の日常」がよくわかる。なかなか泣かせる場面もあるし、わるい本(て何?)ではないと思う。繰り返して読みたいとは思わないけどね。
女子大生会計士の事件簿〈DX.2〉騒がしい探偵や怪盗たち (角川文庫)
- 作者: 山田真哉,久織ちまき
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2004/11/25
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“翻訳作法”柴田元幸さんが載ってるんで [書籍、雑誌]
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2004/12/25
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タイトルが「詩と批評」。う~ん、迷う。メルマガで宣伝されてて“柴田元幸”さんの名前にひかれて飛んでったんだけど。とはいえ、アマゾンでのカスタマー評に、
日本の小説ばかり読む友人に勧めても、冷たい反応しか返ってこなかった。まあ、当然だろうけど。
とりあえず、海外小説が好きなら、読んで損はないと思います。ええ。
とあったから、一応、買ってみようかな。
私の評は、それから。
タツローの新譜を忘れていた [音楽]
『FOREVER MINE/MIDAS TOUCH』。実は19日発売、でよかったのだけど――そう、手帳にメモっていた――買いそびれた! と思ったのは、13日ごろだったかな、とあるメルマガに発売、とあったから。
まぁ、べつにいいんだけどね。当人のFM番組、“サンデー・ミュージック”や、他の番組でもバンバン流れてるし、手元にないからといって困ることはない(今のところは)。
ゆっくり買いましょう。
- アーティスト: 山下達郎,服部克久
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2005/01/19
- メディア: CD
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なんだかんだ言っても、この人の歌声が聞こえてくると、ホッとする。独特の声質と歌い方は、他のどんな歌うたいとも違って、心に響く。
二十歳のころは、もうひとり、“アル・スチュアート”が“心の友”だったんだけど、所詮は海の向こうの人。徐々に情報が入ってこなくなって、文字どおり遠くなっていってしまった。(エリック・カルメン同様)
そうはいっても、同国人のアーティストでも、人気がなくなっていったり、本人が活動をやめてしまったりしたらおしまいなんだけど。この人の音楽にかける情熱は、そりゃスゴイので(なあんて、見てきたように書いてますけど)、安心して“追っかけ”ていられます。(^_^;)
ちなみに、今回の曲のほうが前回のシングル曲『忘れないで』より好きかな。やっぱり、短調(マイナー)な曲は、達郎のイメージからすると、ちょっと……。竹内まりやが「達郎にしては、濡れたメロディ」と表現していたけど、KinkiKidsに提供した『硝子の少年』みたいに、むしろ人に歌わせる方がいいような気がする。余談ですが。カップリングの『ラッキー・ガールに花束を』は、ポップで聴きやすくていい。
て、前作の話をしていてどうする。
そうはいっても、手元にない~。聴き込むには時間が……。
というわけで、感想はまたいずれ。
尾崎翠をさがして [書籍、雑誌]
タイトル、「~探して」と書きはじめたのだけど、そうしたサイトがあるので、ちょっと遠慮してひらがなにしてみたら、なにやらニュアンスが違って見えるではないの。後者のほうは、さがしてよ、と頼んでいるように感じるんだけど、私のもうそう?
それはともかく。
某新聞の書評欄を読んでいたら、浜野佐知さんの本の紹介があった。
- 作者: 浜野佐知
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2005/01
- メディア: 新書
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『百合祭』『第七官界彷徨-尾崎翠を探して』という映画を撮った人、という認識だったが(参考:旦々舎)、その『第七官界彷徨』から、久々に尾崎翠を読みたくなった。
持っているのは、筑摩文庫の『尾崎翠 (ちくま日本文学全集) ちくま日本文学全集
』のみ。
こうした手軽なものは他にないかと探したら、上下巻の集成があったけれど、「第七官界彷徨 尾崎翠を探して OSAKI MIDORI」というサイトに
文庫版。上巻は代表作をはじめとする小説と書簡など、下巻は初期作品に少女小説、戯曲、シナリオ、映画評論など。「中野翠編・解説」ということで大いに期待されたが、編集に特に工夫なく、印刷は上下巻で異なり、特に上巻の書体、版面が読み難くて汚い。「あとがき」も冴えが見られず、オザナリ。まったく期待外れの「集成」となった。いったいに「美しい本」を作ろうとする気合いが編集部に欠落しているのではないか。
だそうで、ちょっと期待はずれ。
他に、『迷へる魂』というのが面白そうだったが、やはり
全集と同じ野中ユリ装釘の瀟洒なアンソロジー。収録作品=「初恋」「詩人の靴」「歩行」「こほろぎ嬢」「木犀」「匂いー嗜好帳の二三ペエヂ」「山村氏の鼻」「アップルパイの午後」「途上にて」「神々に捧ぐる詩」「第七官界彷徨」「『第七官界彷徨』の構図その他」。解説=山田稔「静寂の力-尾崎翠を読む」稲垣真美「尾崎翠の人と時間」。早くも稲垣氏の恣意的な解釈が混じり、高橋丈雄を匿名にしたり、下駄は「妹を託する」説を堂々展開。
とあり、ちょっと読書意欲をそがれる。
他に、『不思議の国のララ (パサージュ叢書)』というのがあって、翠作品のなかでは、一風変わった小説を集めたものらしい。こっちのほうを先にしようかな。
以前から系統立てて読みたいなとは考えていたのだけど、購入するには予算が追いつかない。図書館で借りればいいのだけど、地元の図書館は……はっきりいって、中身貧弱。
まぁ、そうはいっても、全集くらいはあるかも。なかったら、愛知県図書館で借りてきてよ~(以前、そういう例あり)。べつに買ってくれとはいわないからさぁ。
――地元の図書館は、リクエストはできるんだけど、毎回「購入を考えてみます」と言われてしまうんだよね~。田舎だからしかたないけど。まぁ、児童書のほうに力を入れてくれてるみたいなので、それは感謝、評価してますけどね。――
あるいは、名古屋市内の図書館で借りるか。実家のある区内の図書館でよく借りるんだけど、車で行かないとなぁ。全集しかなかったら、持って帰ってくるのがちょっとツラそうだし。(^_^;)
吉田美奈子のDVD [音楽]
Voice in the wind The Concert~Vision 4 YOSHIDA MINAKO with BRASS ART ENSEMBLE [DVD]
- アーティスト: 吉田美奈子
- 出版社/メーカー: avex io
- 発売日: 2005/03/02
- メディア: DVD
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HMVから案内メールが来て、同名タイトルのDVDが出ることを知った。
このところ、ライブに行けないから……。むしろ子どもが小さいときは、義母に預けて夫とふたりで出かけたりしたものだったけれど、近ごろはそうもいかない。中学生となれば、ひとりで留守番できる年ごろではあるけれど、夜間にひとりにするのは、やっぱり心配だし、それに何より子どもの「自分たちばかり遊びに行って」という言葉がコワイ。
そんなわけで、ライブを家で見られるのは、とってもありがた~いことなのだけれど……あの独特の空間に浸りたい私は、ちょっとためらってしまう。
彼女が現れたときの客席の興奮、かけ声。バックバンドの研ぎ澄まされた音が響いた瞬間。彼女の第一声が出たときの、あのぞわっと背筋が震える快感。
そうしたものを体験するには、家族が寝静まったころに、ひっそりと“鑑賞”しなくてはならない。誰にも邪魔されずに浸りきるには。家族のいない日中でもいいけど、何かをしながらとか、ピンポーンと宅配便がやってきたとか、いちいち中断されるのでは何にもならないから。
う~ん、迷う。