『氷上の光と影』の感想 [他スポーツ]
バンクーバー五輪でのフィギュアスケートの結果は、悲喜こもごもといったところ。
まずは、男子シングルの高橋大輔選手の銅メダル獲得は、初のメダルということもあって単純にオメデトウ!と言える。
翻って女子は……。
浅田真央選手が銀メダル獲得! とはいえ、3位(銅メダル)にすべり込んだ選手と、1位になれなかった(銀メダル)の選手では、気持ちに雲泥の差がある、という。
そりゃそうだ。
少し前から、モヤモヤしたものがあって、それでも、この本に書かれているような、“国と国との利害関係”が、採点に及ぼす影響は、新・採点法になって緩和されたと思ってきた。
- 作者: 田村明子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/02/24
- メディア: 単行本
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ここに書かれた「影」は、少々妄想が過ぎないか。
そんな風にも考えていた。
単に目をそらしてきただけだったかもしれない……。
章の始めは、トリノ五輪。
日本人には――フィギュアスケートファンには、と言った方が正しいか――嬉しい結果となった“良い”大会だったけれども。
裏側に存在した“ロシア対北米”の闘い。
当時は、ミス2位と言われていたコーエン選手と、難病を抱えていると報道されていたスルツカヤ選手、の対決に注目が集まっていた。
だが、それぞれの選手が抱えている状況ゆえに、この結果は仕方ないか……と考えていた。
ある意味、埒外にいた荒川さんが、気持ちの上で余裕があり、プログラムにも余裕をもたせて“魅せた”。それが、金メダル獲得という皮肉な――コーエンやスルツカヤにとって、という意味で――事態に至った。
そのような論調に読める。
もちろん、荒川さんの頑張り、ノーミスの滑りあってこその結果であることは確か。
けれども、今回のバンクーバー五輪をふりかえってみれば。私が妄想が過ぎると思ってきたことは、未だに厳然とあるらしい、と分かった。
いや、新・採点法になって、むしろ審判団はやりたい放題、恣意的に順位を付けられる、らしい。(ソースを探索中)
溜息。
いったい、そこには、どんな“意思”が存在するのやら。
戦略なのか、そうでないのか……。
かつての対立軸は、単に舞台を東洋に移しただけのようだ。(いや、コーチのことを考えれば、そうでもないのか?)
もちろん、対立といっても、伊藤みどりさんのころのような、美と技などといった単純さはない。もっと複雑に入り組んでいる――広告代理店とか所属事務所とか――ようで、もう見るのをやめようかと思ったりもする。
懸命に練習に励んでいる選手たちが哀れ。
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