『風神秘抄』 [児童書、YA]
朝刊を開いたら、荻原規子氏の新作案内が載っていた。
『風神秘抄』。
“勾玉三部作”の続き”とのことで、「待ってました!」
児童書の大型新人として『空色勾玉』でデビューした作者。続く『白鳥異伝』『薄紅天女』と三部作を成し、これで終わりと思われた。
『薄紅天女』がキャラクター小説的にも読めるということで、パロディ小説が作られたらしいけれど、そのことに関して、とある雑誌で同人誌少女をかばうというか、身を寄せる発言をしていた。その後、証とばかりに書かれたのかと思うような作、『西の善き魔女〈1〉セラフィールドの少女』(シリーズ1作目)が出た。私には、昨今流行(?)のライトノベルの走りとも言える内容のように感じられたものだったけれど。――ファンタジー小説ということでは、とうに流行だったけれどね。
(続く、『西の善き魔女 (2)』『西の善き魔女 (3)』『西の善き魔女 4- 世界のかなたの森』あり)
“勾玉三部作”が――とくに『空色勾玉』が、がっちりした厳しい(?)内容の“児童書”だったから、こんな軽いタッチのファンタジーも書くんだ、と、その落差に、唸ってしまったのだったけれど。読者に対する真摯な態度という意味では、好感が持てた。
「どんな形であろうとも、作品を愛してくれる人を憎めない」と言ってくれたようで。
それとも、いみじくも上記で私自身がやってしまったけれど、いわゆる権威付けの“児童書”と、ライトノベル的なコメディタッチを含む物語とを厳然と分ける(カテゴライズする)勢力への反発があったとか(?)。
作品評にもどると、三部作といっても、個々の独立した作品として読めるものばかり。今回の『風神秘抄』も、続編としても、外伝としても、またひとつの作品としても満足を与えてくれるだろうことは期待できる。
早速、注文しなくちゃ。
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