落ち込む読書…… [書籍、雑誌]
またやってしまった。
“教養”で本を読んだはいいが、中身に影響されて、どわっと下降する。
気分が。精神状態が。思考が、思考力そのものが。
ひとり暮らしならいいけど、帰ってくる子どもの世話をしなければならない私に、これは痛い。アオミドロ色の池の底にはいずり回ってる両生類の気分なのに、明るく「お帰り~」と言わなくちゃならないというのは。
以前にも、似たような現象?というか、状態になったことがあって、そのときは死にたくなった。カッターナイフを手首に当ててみたけど、血まみれになったあげく死ななかったら、病院のベッドでいろんな管に繋がれてしまったら、なんていう妙にリアルな?想像力に邪魔されて、かなわなかった。代わりに、今考えると「なんでこんな人?」と思うようなタイプの男についてっちゃって、さんざんな目に遭った。
二十歳をちょっと過ぎたころのことだ。
それ以来、この手の読書には気をつけてきたつもりだったのに。
いわゆる“落ち込み系”の本というのが私にはあって、いくら話題の本でも、受け付けない。笙野頼子も、図書館でパラパラ……とやって(こりゃダメだ)ってのがあった。
今回はこれ、『みんな元気。』。
なんでだろう。『阿修羅ガール』はオーケイだったのに。(もっとも、ナントカ魔人、のあたりは斜め読みというか、テキトーにとばしたけどね。)
今回は短編集で、読みやすくて取っつきやすい代わりに“世界”には入り込みにくい、はずだったのに。
私自身のバイオリズムのせい、というのも理由のひとつかもしれないが……。
舞城王太郎の書く“壊れた世界”、“そこの住人たち”を眺めているのが、ムチャクチャ辛い。苦しい。
今回はとくに、SF的設定?で、かなりぶっ飛んでる。分析してみれば、SF的別世界というのは、私にとってはある種の夢の世界、理想郷で、そこが壊れているとなれば、もう耐えられない、という反応だったのかもしれない。
- 作者: 舞城王太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/10/28
- メディア: 単行本
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