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 『源氏物語の時代』 [論説本]





 今朝は寒かった。室内の温度計で20度を少し切るくらいを指していたけれど、体感温度は10度、といったところ。襟元をはだけていると、よけいに寒さを感じ、思わず室内で(薄いウールのものだけど)マフラーを巻いてしまった。


★キーワード:源氏物語の時代―一条天皇と后たちのものがたり (朝日選書 820)


 源氏物語の有名な1シーンに「雨夜の品定め」がある。

 当時の男性の、少なくとも貴族社会における女性観が透けて見える場面と習った。

 少し前に通っていたエッセイ教室の講師は、自分がフェミニストだからか、平安の貴族社会が女系で、女性にとってはそれほど悪い時代ではなかったようなことを、よく語っていた。

 が、これを読むと、到底そうは思えない。(いや、原作を読んでも、そんな風には思えず、心の中で反発していたものだった)

 “通い婚”も、現代女性が相手の男性の家に入らなければならないという視点からは、良さそうに見える。

 けれど、何度か通ってもらって、ようやく婚姻成立。良いと思われなくて、“やり逃げ”されたら、それでおしまい。通ってくる男性も、自分から求めるわけではなくて、大抵は“やり手の女房”の手引きで決まる。

 つまり、女性は、自分が信頼している(はずの)女房によって、結婚相手を決められるのだ。(相手の男性は、相手の女性の女房を手なずければオーケイということ)

 完全なる受動態。


 講師は、女性が男性の「家に嫁ぐ」ことで、生まれ育った環境から寸断されること、舅姑の面倒を見させられたりと、家政婦的な要素があることを理由に、「通い婚」も悪くないとしていたのだが、女性から言わせれば、どちらも同じ。

 比較すること自体が陳腐な、女性にとっては苦痛の伴う制度であることは間違いない。



 なんだか愚痴みたいになってしまった。肝心の“一条天皇と中宮の関係”について、書く余裕がなくなってしまった。また次の機会に。



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