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 『源氏の男はみんなサイテー』 [論説本]





 まえから読みたかったのだけど、ようやく図書館で予約して手に取ることが出来た。

源氏の男はみんなサイテー―親子小説としての源氏物語
大塚 ひかり
マガジンハウス
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 ずいぶん古い本ではあるので――大塚ひかり氏は、とうとう源氏物語の訳本を出してしまったね――今さらな箇所があるかと思いつつページを開いたのだけど、どうしてどうして、今も充分、通用する内容だった。

 というのも、これはタイトルこそ過激だけど、内容的には副題の「親子小説としての源氏物語」がテーマ。(つまり、サイテー男たちの弾劾が目的ではなくて、なぜサイテーになったのか、その原因、遠因を親子関係に眼を向けることで探る、という形になっている)

 その“親子関係”に眼を向けてみれば、今に通じる関係性が、次から次へと出てくる。折しも千年紀。なにやら因縁めいたものを感じるほど。(そういう意味では、やはり源氏物語は、永遠に残りうる文学なんだなぁと認識を新たにした。)

 元来、恋愛を主体とした小説は苦手で、そうした視点で読むと、源氏物語ほどサイテーなストーリー、登場人物はない。(だからこそ、長らく、ちゃんと読まなくちゃな~と思いつつ、つまみ読みしかできなかったのだけど)

 だが、主要キャラクターに、親から受けた影響、環境といったものを配置してみると、紫式部の人間への深い考察が浮かび上がってくる。すごい。



 私は図書館で単行本のほうを読んだのだけど、文庫版は表紙が違うのね。イメージもずいぶん、違ってくるなぁ。


源氏の男はみんなサイテー (ちくま文庫)
大塚 ひかり
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 大塚ひかりさんの訳した源氏物語。今は2巻まで出ている様子。最終刊が出るのは来年の秋~夏だったかな? とにかくそれくらいまでかかるようです。


源氏物語〈第1巻〉桐壺~賢木 (ちくま文庫)

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