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 『ガラスのうさぎ』 高木 敏子:作 / 武部 本一郎:画 [児童書、YA]


 昨日に引き続いて、太平洋戦争ものを。

ガラスのうさぎ

ガラスのうさぎ

 大量の焼夷弾を落とされた街が焼ける。家いえが燃える。その熱で、ガラスで作られた兎の置物が溶ける。


 ずいぶん前、古本屋で(新古書店ではなく)見つけて新書版を買った。おなじ金の星社の、フォア文庫のもの。表紙は、(実写)映画になったときのスチルが使われていた。

 それを中学生の子どもの本棚に入れておいたら、今年の夏休みの読書感想文用に読む、と言い出した。

 折しも戦後60年。アニメーション映画になるという話も聞こえてきて、調べてみたら、本当だった。★「長編アニメーション映画 ガラスのうさぎ」サイト

 本も、かなり前だけれど(2000年)新装版が出ていた。

 それが、画:武部 本一郎の表紙のもの。

 驚いた。この“挿絵画家”の名前は、SFファンにはおなじみ。私自身も、小学校の中学年のころ、学級文庫にあった『火星のプリンセス』の表紙絵を見て、俄然、興味を引かれ、手にとったクチ。どこか和風の香りのする顔立ちと、洋風(?)な肉体の豊満さとのアンバランスが、小学生といえども胸をトキメかせるには充分だったのかも。(^_^;


 それはともかく、惜しくも武部画伯は亡くなっているし、最初に出版されたときの表紙、ということだろう。

 語りつぐ戦争-「ガラスのうさぎ」によると、アニメーション化の話は、ちょいちょい出ていたらしいが、これまでは、原作者の高木敏子さんが納得しなかったとか。サイトによると、テレビ的な騒音めいた音がいやだった、とあるが、見る方にしても、この手のアニメは、いかにも文科省認定というか、絵柄が似たり寄ったりで、行く気が失せる。内容そのものは、語り継がなければいけない、とは思いつつ。


 でも、本が、ロングセラーということは、地道に親から子へと手渡されていると言うことで、少しは安堵の気持ちがわいてくるというもの。(今の世の中、わが子に本を与えているのは母親だろうから、日本の母も捨てたものじゃないという気にもなる)


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ガラスのうさぎ
高木 敏子作 / 武部 本一郎画

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