『PLUTO』1巻、2巻 浦沢 直樹著 [コミックス]
浦沢直樹がアトムを描きだしたと聴いたとき、てっきりオリジナルだと思った。いわば、続編。オマージュというか、音楽で言うトリビュート。
あ、トリビュートってのは、その人の持ち歌を歌うことだっけ。だとしたら、この作品もトリビュートというべきか。
テレビ版は見ていたけど(画面は白黒だった。トシがばれる)、原作は読んだことがない。クラスメイトで手塚ファンがいて、彼によると「アトムは、あまりに死んだ息子に似てると、サーカスかなんかに売られるんだ。悲しい話だよ」と。
テレビ版のアトムは、颯爽としていて明るく、話も単純で鬱屈の“う”の字もなかったから、元気いっぱいの子どものリーダーみたいな感じで、楽しみに見ていた。
今回、浦沢さんの絵でリメイク(?)されて、「へぇ、こんな話だったんだ」とあらためて感心。結構、深いというかシンドイというか、問題提起的な物語だったんだなぁ。また、浦沢氏のリアルな絵柄が、ぴったりとハマッていること。
今のところ、見えているものとしてのテーマは、ロボットと人間の共生、だろう。SFでは、よくあると言ってしまったら、天国の手塚治虫にわるいか。もうずいぶん前の作品なんだものね。世界ではどうかわからないけれども、日本では画期的だったんだろうし。
それに、今回の「愛・地球博」に出展?されているロボットの種類ときたら。「ロボット・メッセ」なんてイベントもあったくらいで――見に行きました。面白かったです――、山下達郎の歌じゃないけど、皆「アトムの子(孫)」といわれているのは、すでに知られたこと。
そんな、ロボットが注目を浴びているときに、この作品が出る、というのも――だれかの仕掛けかもしれないけれども――なかなか楽しい。お話自体は、重いけどね。
「愛・地球博」の三菱未来館@EARTHにいる黄色いロボット“ワカマル”が、近々実用化されるとか。あの“関西弁で掛け合い漫才”みたいな会話してくれるのかな。だったらいいなぁ。見てるだけで面白そうだもん。
★bk-1で見る↓
★楽天ブックスで見る↓
『 Pluto(1)』
『 Pluto(2)』